2月18日に行われたワークマン春夏物発表会において寒冷期の避難所対策を公開
研究
2024年2月19日
日本赤十字看護大学附属災害救護研究所(以下、当研究所)は株式会社ワークマンと連携協定を結び、災害対策に資する技術、支援策の開発・研究に取り組んでおります。
この度、災害救援技術部門の根本昌宏専任研究員(日本赤十字北海道看護大学教授)が、パーソナルテントon the段ボールベッド(通称:テントon theベッド)を発案し、2024年2月18日に行われたワークマン春夏物発表会において公開いたしましたのでご報告申し上げます。
この技術は日本赤十字北海道看護大学(北海道北見市)で2010年から進められている厳冬期災害演習で培われた寒冷期の避難所対策として不可欠である段ボールベッドと、株式会社ワークマンが販売する一人用パーソナルテントを組み合わせたもので、寒冷環境下の避難所・避難生活において以下の項目を実現します。
1.床からの寒さ(底冷え)を抑える(段ボールベッド)
2.居住者による体温を保持し生活・就寝温度を上げる(段ボールベッド、テント)
3.環境からの冷気の流入を阻止する(テント)
4.避難所環境でのロッカー機能を提供する(段ボールベッド)
5.プライバシー空間、着替え場所を提供する(テント)
6.清潔で安全な就寝空間を提供する(段ボールベッド、テント)
この技術は寒冷期の災害時に暖房機能が起動・維持できない環境においても最低限の温熱保持空間を提供することを可能とし、寒冷由来の低体温症の予防に寄与します。避難所の健康生活を維持するために必要な三要素とされるTKB(トイレ・キッチン・ベッド)のベッド(就寝)の質を向上させる技術として課題解決の一端を担うものとなります。今回の1人用パーソナルタイプをスタートとして、多人数(家族)用温熱空間についてもラインナップを進めていく予定です。当技術に伴う実践検証データについては、今後関連する学会等でご報告いたします。
当研究所災害救援技術部門はさらなる課題解決に向けた研究を進めて参ります。